6V6シングルアンプの組み立て

MJ誌の2006年5月号38頁に格好の製作記事が載っていたのを見て作りたくなりました。

このアンプのラインナップは1段目が6SL7の半分、次が出力段の6V6、整流はダイオードとシンプルな構成でいわゆる入 門者向けのアンプとなっています。 出力は5W+5W(実測では4W)、5dBの軽いNFBがかかっています。

部品集め

トランス類はノグチトランスのオリジナル品です、加工済みシャーシもノグチトランスが頒布しているとの情報を得て早速注文しました。

真空管の6V6は入手済みでしたので新規購入は6SL7だけです。CR類は海神無線、小物パーツは瀬田無線他で購入しました。

秋葉原のラジオデパートやラジオストアで部品を一つ一つ買うのは実に50年振りでしたので少々手間取りました。

でも部品集めは結構面白いものですし、真空管アンプに必要なものがいまだに何でも揃うのはさすが秋葉原と感心してしまいました。

部品の取り付け

一番難しくて厄介なシャーシ加工をしなくてよいので早速部品の取り付けにかかります。 軽い部品から始め特に問題なく終わりました。

しかし加工済みシャーシには底板がついていませんので1tのアルミ板に空気孔を空け、プラスチックのフットを取り付けました。

見えている線材はトランス類のリード線です。

配線

トランス類のリード線、ヒーター配線、アース線、その他の線と進めて行き、最後にCR類を取り付けます。CRは記事のとおりラグ板を 使って確実かつきれいに配線できました。 

誤配線は無かったものの、少しハムが出て、原因を探った結果ヒーターのアース落とし忘れと、ボリュームケースのアース接続もれと分かり、 処置したところ、ボリュームを最大にしてもスピーカーに耳をつけてかすかに分かる程度となりました。

今回の製作が50年前と違っていたことは、常時ヘッドルーペをつけていたこと、指先の動きが悪くて3ミリのビス・ナット 類が小さく感じたことなど時の流れを思い知らされました。

逆に、作業が丁寧になった、感電しなくなったことなど良いこともありました。

6V6シングルアンプ回路図(Rchのみ表示)  MJ誌2006年5月から必要個所のみ書き写し

次に各種特性をとりました。

100Hz     4枚とも下は入力波形です                1KHz

10KHz                                      10KHz 8Ωの抵抗負荷にパラに0.22μF を接続

周波数特性および矩形波(方形波)は出力1Wで測定しました。 高域にピークがあり10KHzの矩形波が乱れていますが NFBをかけるとこのようになることがあるようです、これを補正するためにRNFにパラにコンデンサを付加したところ、700PF で綺麗になりました。

再測定

100Hz     4枚とも下は入力波形です                1KHz

10KHz                                      10KHz 8Ωの抵抗負荷にパラに0.22μF を接続

製作当初の試聴

現用システムのマランツ・モデル8Bと切り替えて見ました。 クラシック、ジャズ、ビッグバンド、ボーカルのCDで普段聴いているよ りもずっと音量を上げて試聴したところ予想以上に音が良く、こんなシンプルな回路で出力トランスも小さいアンプなのにと驚きました。 6V6は もともと音が良いという評価を得ていますが今回納得しました。 8Bとの比較では全体の品位、低域の量感、ディテールの表現、切れ込みなどに 明らかな差がありますが、素直でまろやか、少し元気もあり、気楽に楽しめる音と思います。

高域補正後の試聴

いつものように試聴で使っているクラシックとジャズとボーカルのCDを聴いてみました。 最初は大きい差はないかと 思いましたが、よく聴くと雑味が消え、クリアで細部が良く聞こえます。 出力トランスの大きさ見合いで低域のエネ ルギー感は薄いものの、全体にワンランク上がったようにきこえるのはひいき目でしょうか。

このような事は聴感だけでは原因が分かりません、やはり測定と調整の重要性を認識しました。