LPレコードのデジタル化

はじめに

新居でもLPレコードを楽しむつもりでしたが、検討の結果残念ながらスペース的に無理であることが分かりました。 そこで、デジタル化することによりLPレコードが無くても聞き慣れたDENON DL103とMCトランス、MODEL7の音を再 現できるように考えました。

1.デジタル化方式

LPレコードをデジタル化するにあたり、DSDファイルで録音しオリジナルデータとして保存することにしました。 実際にはFLAC(96KHz/24bit)ファイルに変換し、HDDオーディオプレーヤーに書き込んで再生しています。

HDDプレーヤーでもDSDのネイティブ再生が出来ますが、DSDファイルではHDDプレーヤーのディスプレイにジャケット写真などが 表示されないので、FLACファイルを使っています。

1) ハード

・レコーダー: アナログ信号を直接DSDファイルで録音するレコーダーのうち、一番手軽なKORG MR-2 を使用しま す。 これは音質の評価が高く、バンドルされているソフトのAUDIO GATEが高機能で使いやすく、フリーの場合の使 用条件となっているツイッターを使わないことも導入のポイントです。

・LPレコードのイコライザ: Malantz model7、つまりmodel7のREC OUTのアナログ信号をMR-2のLINE INに接続します。

・メモリーカード: ネットの書き込みによると相性があるようです、私はPanasonic SDHC 16GB CLASS10を採用しました(推奨品はKORGのHPに記載されています)。   録音時間は1GB当たりDSDIFF(2.8MHz)で22分ですから、16GBで352M(5H52M)、LP1枚60分として約6枚収録可能ということになります。

・バッテリー: 録音中の電池切れを避けるためUSB給電を使用しています。

2) ソフト

・PCに取り込んだオーディオファイル(DSDIFF)に対し、曲毎の分割・音量レベル揃え、アーチストや曲名などのタグ記入及び希望のファイル形式への変換を行うため、AUDIO GATEを 使用します。


2.LPの録音からNASへ格納するまで

1)  録音

・model7のREC OUTとMR-2のLINE IN(ステレオ・ミニタイプ)間およびモニター用のイヤホンを接続します、MR-2の電源を入れ、録音フォーマットをDSDIFFにセットし RECボタンを押し録音待機状態にしてレコードをかけ、レベルメーターが0を超えないように調節します(-12~-10dB程度)。

・次にレコードを始めからかけ直し再度RECボタンを押すと録音が始まります。途中ポーズボタンを押すと録音は一時停止しますが、停止ボタンを押すまでは一連の 録音(プロジェクト)となります。 なお、仕様上1つのプロジェクトでも、長時間にわたるファイルは1GB毎に分割されて録音されます。


2) PCへのコピーと編集

・SDHCカードをMR-2から取り外してPCのカードリーダーに装着し、Recording/日付/DFFXXXX/のホルダに格納されたオーディオファイルDFF_XXXX_XXX.dffをPC側に用意した フォルダ(*1)にコピーします。

・AUDIO GATEを起動しそのフォルダを読み込むと、1つのプロジェクト(片面全部の録音)でも1GBを超えた部分は次のファイルに分割されています。 これを1つのファイルに 統合(COMBINE)します。

2つのファイルを選択してCOMBINEボタンを押すと1つに統合される。


・次に曲毎のファイルに分割します、AUDIO GATEでは曲の波形は表示されないので(14年春にリリース予定のAUDIO GATE3では表示される)、LPレコードの曲時間データを頼りに再生しながら曲間でポーズを押します。

この場合は第1楽章が14分15秒のため、ここでポーズをとりDIVIDEボタンを押す。


・分割された次のファイルは第2と第3楽章が含まれているので、同様に分割します。

この場合は第2楽章が8分58秒のため、ここでポーズをとりDIVIDEボタンを押す。

これら方法で不要箇所を削除することが出来る。


・次に各ファイルを曲名にリネームします、編集→メタデータの一括変更をします。

この例にはないが、LPのジャケットをコピーした画像を指定することが出来る。


3) ファイル変換

・いよいよ最終段階のファイル変換を行います、EXPORTボタンを押して現れるウインドウでファイル形式、サンプリング周波数、量子化ビット数、出力先フォルダを指定して OKを押すと変換が始まります。 なお、詳細設定により各曲の音量のバラツキを平準化(ノーマライズ)することが出来る。

図はFLACへの変換を示すが、ファイル形式の指定によりDSDIFF 5.6MHzへの変換も可能である。

なお、BURN DISCボタンを押せば直接CDやDVDに焼くことができる。


4) データの転送・格納

出力先フォルダのファイルをFFFTPによりバックアップ用外付けHDDへ、更にHDDオーディオプレーヤーへ転送・格納します。


5) AudioGate3

・AudioGetaのver.up通知が来たので、早速使ってみました。 デザインも波形が表示されるようになったのも良いですが、ソング分割後も元ソングが残る(仕様 ・・・慣れると使いやすい)、文字記入時にプロンプトが表示されないなどがあります。

・デジタル化の半数以降はこのAudioGate3を使いました。


3.試聴&終わりに

以上の手順でデジタル化(FLAC 96KHz,24Bit)したLPを再生した音と、直接ディスクプレーヤで再生した音を比較試聴してみました。

結果、デジタル化した音は音色が若干クールに感じた(DACのキャラクターかも知れない)他は特に違いが分からず、音楽を楽しむにはこれで十分と思いました。

保有していたLPは210枚ほどですが、盤面や録音の思わしくないものを除き190枚をデジタル化しました。実時間が必要 なためなかなか進まず、半数はDSDファイル化のみ旧家で行いました。


(*1)PC側に用意するフォルダについて

膨大な曲種・曲数の管理を容易とするため、フォルダを階層化しておく必要がある。

例えば主ディレクトリは"LP"、サブディレクトリは"FLAC"、"DSDIFF"のようにファイル種別、その下はJAZZやVOCALは"アーチスト"その下に"アルバム名"。 また CLASSICALでは"作曲者名"その下に"曲名"、さらに"指揮者名"とするのが使いやすいと思われる。



参考:DSDについて

1)DSDにはDSDIFFとDSFの2種類がある。 前者は制作用のプロオーディオで広く採用されており、後者はVAIOでサポートしている。 更にDSDIFFは2.8224MHzと 5.6448MHzがある、MR-2で録音出来るのは2.8Mのみ、AUDIO GATE で5.6Mに変換可能。

2)DSDIFFもAUDIO GATEで曲(ソングと称している)の分割・結合・フェード処理・音量調節・L/Rバランス調節・ノーマライズ・DCカット・マーク編集ができる。

3)DSDIFFはタグを含むが情報に統一性がなく、DBとして使い途がない、またタグエディタも無い。(AUDIO GATEは前述のようにタグ編集が可能)

4)WEB配信各社の対応は様々である、例えばPlay AudioはDSDIFF、e-onkyoはDSFで配信している。

5)DSDとPCMの音の違いで言われているのは、DSDは「滑らか、柔らかい」、PCMは「パンチがある」である。


6)Webに書き込まれたDSDの音質評価は実に様々です。

・PCMとPCM→DSDの差は思ったより大きい。 オリジナルDSDのネイティブ再生はPCM→DSDより余韻が自然で広がりがある。

・PCMとPCM→DSDの差はスッキリ感はあるが、劇的変化は感じない。そもそも上限20KHzのCDをDSDに変換しても上限が拡張される筈がないのでは?

・狭い部屋の小音量では、むしろPCMの方が良いと感じることもある。しかしDSDはボリュームを上げても粗さが出ない。

・レコードはレコードの、CDはCDのポテンシャルを上げることこそ、高音質化につながるのではないか?

・DSD≧ハイレゾ(192KHz/24Bit)>>>CD

・微々たる差で、一般の人の環境ではハイレゾとCDの差さえ分からない。

・オリジナルDSDは少なく、大部分ハイレゾ→DSD変換物である。

・しっかり作られた製品で聴くと音が違うかな位の差しかない。

・DSDもPCMもそれぞれ音のキャラクターがあり、人により合う合わないというだけである。