TU-8200 6L6シングルアンプの組み立て

はじめに

移転後に残ったメインアンプが6V6Sだけではいささか物足りないので、もう1台組み立てることにしました。しかしス ペースの制約からできるだけ小型軽量なものが必要であり、いろいろと調べたあげくエレキットのTU-8200に白羽の矢が立ちました。

TU-8200は「管球王国仕様」としてアムトランスのCRを信号系に使用した完成品がステレオサウンドストアで販 売されていることもあって、かなり良い音がするのではないかという期待がありました。

更に、出力管の6L6GTをKT88、6550、KT66,EL34に無調整で差し替え可能というのも魅力です。 かねがね6L6、KT88、6550を聴きたいと思っていましたので。

 

組み立て説明書から書き起こした下記の回路概念図のように12AU7の二段増幅でCR結合により6L6GTをドラ イブしています。 6L6GTには半導体によるアクティブ自動バイアス回路と過電流検出回路が組み込まれています。 公称出力は8W+8Wです。 またB電源にはFETによるリップルフィルターが組み込まれ、12AU7は直流点火となっています。

組み立て

これがキット一式です。基板の組み立てが主作業であり、シャーシへの取り付けとケーブルコネクタ差し込みで完成となります。

私の場合アムトランスのTU-8200-AMRT用 パーツセット(高音質化信号系CRセット)を購入したので、事前にオリジ ナルパーツと入れ替えました。 念のためLCRメーターで全品確認しておきました。

まず、基板をUNITごとに切り分けます。

バリ取りのヤスリ掛けが一寸した作業になります、気にならなければ不要ですが。

UNIT-1(メイン基板)部品面の完成状況です。薄青の抵抗がアムトランスの部品です。

部品の表示やカラーコードを確認しながら慎重に組んで行きます。

同じくUNIT-1の上面の状況です。 赤色の部品はジャンパープラグですが、差し替えることでLEDの色(緑か青)や出力管の動作モード (UL、三結、5極管接続)を変更することができます。

UNIT-2~UNIT-7と出力トランスをシャーシに取り付けたところです。

最後にUNIT-1と電源トランスを取り付けます。

各ユニットへの細かい部品取り付けとハンダ付けが少々難儀ですが、それ以降はコネクタをはめ込むだけですから楽なものです。

上カバーと前カバーをつけて完成です。

左側(R)出力ターミナルの色の間違いに気づきました。 とりあえずこのまま、いづれ直さなければ。

組み立ては2日で終わりました。 プリント基板を使った真空管の組み立ては今回が初めてでしたが、従来方法より確かに 楽で正確・綺麗に仕上げることができました。

反面、メンテナンスがやり難そうですが、今まで何十年もアンプを使ってきて 劣化部品を交換した経験が無く杞憂かと思います。

 

測定

いつものツールを使って各種特性を測定しました。 久し振りゆえ始めはまごついてばかり。

入出力特性を見ると非常に高感度なのが分かります。入力VRをMAXにすると、プリアンプのVRを少し回すだけで 大音量となり使いづらいのでプリとメインの間にアッテネータを入れる必要があります。 なおメインのVRを絞ると 音に精気が無くなります。 また、出力は最大6.5W出ていますが、オシロで出力波形を見ていると、3.5Wでクリッ プしているのが分かりました。 アクティブ自動バイアス回路の関係かなと思いますが、実用上は十分な出力なので良し とします。

100Hz   4枚とも下は入力波形です       1KHz

10KHz                      10KHz 8Ωの抵抗負荷にパラに0.22μF を接続

周波数特性および方形波は出力1Wで測定しました。 周波数特性が方形波によく反映されています。10KHzで0.22μを 接続した場合は発振していますが、3段増幅のNFBは難しいようです。実用上は問題ないと思われます。

歪率特性はまだ取ってません、そのうちにと思っています(かなり根気が・・・)。

 

試聴

まだ数時間の通電と少ない曲目ですが、聴感上のダイナミックレンジが広く朗々とした音がして、聴くのが楽しく感じら れます。特性上は6V6Sアンプの方が良いので驚きです。6L6GTの個性なのか、2KHz辺りからだら下がりに なっているので聴き易いのか分かりませんが、なかなか良い感じです。 出力管の聴き比べも楽しみにしています。