Video アナモルフィックレンズ

1.シネマスコープとアナモルフィックレンズ

アナモルフィックレンズは、戦車の視野を広げる為に開発されたレンズですが、映画フィルムでワイドスクリーンを撮 影するため、その技術を1950年代に20世紀フォックスが買い取り、横長の圧倒的な広さで観客を魅了するシネマスコ ープ映画を誕生させました。

シネマスコープのアスペクト比(画面縦横比率)は「2.35:1」(1920 x 816)ですが、現在のテレビのアスペクト比 (画面縦横比率)が「16:9」(1920×1080)なので、これを映すと上下に黒帯がつきます。(本来は2538×1080とし て横に広げる目的が、TV画面に映すとこうなる)

1.1 アナモルフィックレンズ使用例 (DJI Pocket2 +Taoric 1.33X アナモルフィックレンズ )

アナモルフィックレンズを取り付けたビデオカメラで撮影すると、2.35:1の映像が16:9のサイズに左右圧縮されて写ります。

編集ソフトで元の2.35:1のサイズに左右伸長するとこうなります。

(この小さい画像では分かり難いですが、周辺が乱れ、かつピントが合わず、残念ながら使えないレンズです)

1.2 アナモルフィックレンズは使わず、 編集ソフトでシネマスコープサイズにした例

これはDJI Pocket2のみで撮った映像です。

上下をカットするためのマスク画像を用意して、

編集ソフトで重ね合わせるととこうなります。

編集ソフトで上下をカットする方法は他にもありますが省略。


2.アナモルフィックレンズで撮った映像の特徴

それでは何故アナモルフィックレンズを使うのか? それは、このレンズでないと撮れない独特の写りがあるからです。

強い光源に対して横線状の青いフレアが出る。(写真はネットから借用しました)

楕円形のボケが出る。更に、歪曲収差が多く、被写界深度が浅くなりやすい。( 〃 )

しかし、これ等の描写が映画を彷彿とさせることになります。


3.アナモルフィックレンズの構造

円柱状(シリンドリカル)の凹レンズ凸レンズの組み合わせにより映像を圧縮しています。(凹レンズで横圧縮、凸レンズで横伸び )この後ろにレンズ本体が付きます。


4.販売されているアナモルフィックレンズ

映画用のアナモルフィックレンズは非常に高価とのことですが、最近になって、我々アマチュアが手に届くレンズが出てきました。

SIRUI(シルイ)と言う中国メーカー製、APS-Cサイズのイメージサークルをカバーする、マニュアルフォーカスレンズ。

種類は24mm、35mm、50mmの3本、Sony E、Fuji X、マイクロ4/3用交換マウント付きとなっています。 APS-Cなので、50mmレンズは35mm判換算で75mm相当となりますが、1.33倍のアナモルフィックレンズですから、37.5mm相 当(横方向)の「広角レンズ」ということになります。

しかし、撮れる映像は本格的ながら重量が700g程度あります。もっと気楽に使うために、前述のシンドリカルレンズのみをスマホや 超小型カメラのレンズの前面にコンバージョンレンズとして取り付ける製品が数多く売られています。

これはiPhone12のケースにバヨネットで取り付けた例です。


5.手持ちのアナモルフィックレンズと写例

5.1 DJI Pocket2用

taoric 1.33X アナモルフィックレンズ

freewell 1.15X アナモルフィックレンズ


アナモルフィックレンズなし

taoric 1.33X アナモルフィックレンズ このサイズでは分かりにくいが、ピンボケ、左右両端が写らない、歪が大きい

freewell 1.15X アナモルフィックレンズ 上記の欠点は解消したが、横幅が短い


5.2 Sony RX0M2用

moondog labs 1.33X アナモルフィックレンズ


アナモルフィックレンズなし

moondog labs 1.33X アナモルフィックレンズ 全てに良好


5.3 青い横線フレア比較

taoric 1.33X アナモルフィックレンズ

freewell 1.15X アナモルフィックレンズ

moondog labs 1.33X アナモルフィックレンズ